太陽フレア(2022)の影響はいつから?どんな影響があるの?事前に対策できることは?

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  • 「太陽フレア(2022)の影響っていつからなの?」
  • 「事前に何か対策できるの?」
2022年6月21日、総務省は100年に一度の極端な宇宙天気現象(太陽フレア)によって2週間にわたって通信・放送が途絶する可能性があると発表しました。 100年に一度の極端な宇宙天気現象と言われても、もちろん誰も経験したことがなく、どんな影響があるのか不安ですよね。 そこでこの記事では、太陽フレア(2022)の影響はいつから始まるのか、その影響や事前にできる対策についてまとめました!

太陽フレア(2022)の影響はいつから?

太陽フレアの影響は2025年7月頃からとされています。 太陽の活動は約11年周期で活発化しており、次回ピークを迎えるのが2025年です。 そのため、2022年中に太陽フレアの影響があるわけではありません。また、太陽フレア自体は100年に一度ではなく定期的に発生しています。 過去に太陽フレアによる影響も多数確認されていますが、それよりも大規模な影響が出る可能性があるのが2025年ということです。

過去の太陽フレアによる影響

過去に太陽フレアによる影響が確認された事例が以下の通りです。 2025年の太陽フレアでは、最悪の場合、以下の事例よりも大規模な影響が出ると予想されています。

 1989年

磁気嵐の影響でカナダの電力会社の設備が故障、約9時間停電し約600万人に影響

1994年

世界各国の人工衛星で内部帯電が発生 通信・放送の衛星に障害発生

2003年

磁気嵐の影響でスウェーデンの送電システムに障害発生、約1時間停電し約1万人に影響 JAXAを含む数十の人工衛星や惑星探査機が機能障害

2022年

磁気嵐の影響により、スペースX社が打ち上げた通信衛星49機のうち40機が喪失

太陽フレア(2022)ではどんな影響があるの?

総務省の発表によると、100年に一度の極端な宇宙天気現象(太陽フレア)が2025年に発生し、2週間にわたって通信・放送に影響が出る可能性があるとされています。 また、2週間にわたって太陽フレアが発生した場合の最悪のシナリオについて報告書が発表されました。 その報告書を参考に、以下の5つの社会インフラに受ける影響を一部ご紹介します。
  • 通信・放送・レーダー
  • 衛星測位
  • 衛星運用
  • 航空運用
  • 電力分野
以下参考 宇宙天気の警報基準に関するWG報告:最悪シナリオ

通信・放送・レーダーへの影響

短波帯(HF)の通信は、発生直後から2週間程度、全国で断続的に使用不可になる

船舶無線、航空無線、アマチュア無線が短波帯の通信を使用しているため、船や航空機の運行に影響が出ます。

VHF帯・UHF帯の通信は、発生直後から2週間程度、全国で断続的に使用不可になる(昼間の時間帯のみ)

行政の防災無線、消防無線、警察無線、タクシー無線、列車無線などに影響があり、都道府県や市町村など公共機関の公共サービスが維持できなくなる恐れがあります。

UHF帯の携帯電話システムは、発生直後から2週間程度、最大で数時間程度のサービス停止が全国の一部エリアで断続的に発生(昼間の時間帯のみ)

携帯電話による電話などの通信に影響が出ますが、2週間ずっと使えないというわけではありません。「昼間の時間帯のみ、全国の一部エリアで断続的に発生」するため、使用できる時間帯やエリアもあります。 しかし、携帯電話を使用できる周波数が逼迫することにより、110や119などの緊急通報がつながりにくくなる可能性があります。 また、スマートフォンからのインターネット接続も困難になるため、緊急時の連絡ができない可能性もあります。

UHF帯の地上デジタル放送では、発生直後から2週間程度、最大で数時間程度の受信障害が全国の一部エリアで断続的に発生

最近はテレビの地上デジタル放送は見ないから問題ない、と思う方もいるかもしれませんが、緊急時の報道番組や地方公共団体からのメッセージを視聴できなくなる可能性があります。 ただしこちらも携帯電話システムの影響と同じく、2週間ずっと受信できないというわけではありません。

衛星測位への影響

GPSの側位精度の大幅な劣化や側位の途絶が全国で2週間にわたって断続的に発生

カーナビやドローン、車の自動運転による位置精度が大幅に劣化し、最大で数十メートルのずれが発生するため、衝突事故の発生が予想されています。 さらに物流や旅客などの車両や貨物追跡システムに影響が出るため、2週間にわたり運行抑制が断続的に発生し、大規模な交通・物流の遅れが生じる可能性があります。 また、スマートフォンの位置精度も劣化します。 110や119などの緊急通報は、通報を受けた機関に対し発信者の位置情報を自動的に通知する「緊急通報位置通知」システムが付帯しています。スマートフォンの位置精度が劣化することにより、緊急通報時の駆けつけが遅れる可能性があります。 ほかにも、目的地までのナビアプリが使用しづらくなるなど、個人宅への荷物の配送が困難になります。

衛星運用への影響

衛星の機能が2週間にわたり大幅に制限され、天気予報の精度が劣化する

気象衛星だけでなく、多くの衛星に障害や故障が予想されており、相当数の衛星はシステム機能の一部または全てを喪失するとされています。 もしも気象衛星の機能が全て喪失された場合、2週間が過ぎた後も天気予報が正確に見れない状況が続く可能性があります。

衛星放送の視聴が困難になる

2週間にわたり衛星放送(BS・CS放送)の視聴が困難になるため、先ほどご紹介した地上デジタル放送への影響も合わせ、テレビから情報を仕入れることが難しくなります。

航空運用への影響

2週間にわたり全世界的に航空機の運行見合わせや減便が多発

航空管制レーダーが使用困難になるため、数時間単位での出発便の空港待機や到着便の上空待機が発生する可能性もあります。 そのため運行スケジュールが大幅に乱れ、混乱や事故を避けるために運行見合わせや空港閉鎖が発生するとされています。

電力分野への影響

広域停電が各地で発生する

設備・運用上の対策を行なっていない電力会社では、保護装置の誤作動が起こり、広域停電が発生します。 誤作動が起こらなかった場合でも、各地で多数の変圧器の損傷が起きる可能性があります。 損傷した変圧器の交換が必要な場合、多くのコストがかかる上に長い工事期間が必要です。 そのため、2週間を過ぎても各地の電力供給に影響が残り、社会経済や産業に大きな影響が出ます。

太陽フレア(2022)事前に対策できることは?

政府の掲げる2つの対策

2025年に発生する太陽フレアに対する対策として、政府は2つの対策を掲げています。

警報の強化

総務省は今年度中に太陽フレアに関する警報制度を新たに創設するとしています。 大雨・波浪・地震・津波などの災害と同じように、「通常」「注意報」「警報」を発信する予定です。 そのため、突然太陽フレアによる影響が出るというわけではなく、事前に警報を確認して心構えをすることができます。

宇宙天気予報の精度向上

警報を強化するためにも、宇宙天気予報の精度向上を目指しています。 現状では太陽フレアの規模といった物理現象についての観測しかできず、社会にもたらす影響への予測は不十分です。 今後3年間で太陽フレアのデータをとり、影響が及ぶ範囲や程度の予測精度を高めていこうとしています。

個人でできる対策は?

太陽フレアによる影響で、最も個人に影響が及ぶのは緊急時の通報や家族との連絡が取りづらくなることです。 通信が途絶している期間中に地震などの災害が起きないという保証はありません。 そのため、通信ができない状態でも家族と合流できるよう、災害時の避難場所などはあらかじめ決めておきましょう。太陽フレアによる通信への影響は2週間ずっと続くわけではなく、断続的なものです。 通信ができなくなったからと慌てず冷静に行動するためにも、太陽フレアの影響について正確に知ることも大切です。

そもそも太陽フレアって?

太陽フレアとは、太陽の表面で起きる大爆発のことです。 太陽の表面には黒点と呼ばれる黒い斑点があり、大きな黒点の周りで時々起こる大爆発が太陽フレアと呼ばれています。 黒点には地球の数千〜1万倍の磁場があり、黒点の磁場が変化する際にそのエネルギーが周りのガスに伝わって太陽フレアが起きるとされています。 爆発したガスからは電波やX線など、電気を帯びた素粒子が放出され、地球には10分〜1日、2日程度で到達します。 これらの素粒子によって地球の磁気が乱れ、電波通信が妨害されるなどの影響が出ます。 小規模な太陽フレアは1日に3回程発生していますが、100年に一度の極端な太陽フレアが2025年に発生するとされています。

まとめ

いかがでしたか? 総務省が発表した太陽フレア(2022)は2025年7月頃に発生する予定です。 100年に一度の極端な宇宙天気現象と呼ばれるほど大きな太陽フレアは、私たちの生活に多くの影響をもたらします。 特にスマートフォンの通信、地上デジタル放送の受信困難などが身近な問題ですが、これらは2週間ずっと続くわけではなく断続的なものです。 また、昼間の時間帯のみに発生する影響なので、夜間はスマートフォンの通信や地上デジタル放送の受信が可能となっています。 さらに政府は太陽フレアについて事前に警報を発表できるように対策をとる予定のため、通信障害を事前に知れるのは嬉しいですね。 しかし、広域での停電や物流の遅れ、交通事故の発生、緊急通報時の駆けつけが遅れるなど、大きな問題もあります。 ただし、この記事でご紹介した太陽フレアによる影響はあくまでも最悪のシナリオであり、正確な予測はできていないのが現状です。 正確な予測ができていないからといって最悪のシナリオを信じないのではなく、3年後に備えて心構えと対策を行いましょう。